3:カモメと一緒にフィヨルドクルーズ

ノルウェー



ヴォス駅からベンゲル鉄道

ミュールダール駅からフロム鉄道

 いよいよこの旅のハイライト、フィヨルドクルーズに向けてバスでベルゲン鉄道の駅に向かう。途中ではっと気付く。もしかしてバックの鍵をテレビの横に置いたままか。

 ホテルを出る時にポケットをたたいて確かめたが、なんとそれはゴミの固まり。バックを切り裂いて使うのか?

 

 列車を乗り継ぎ待望のフロム山岳鉄道に乗る。鍵はどこだろう?美しい景色だろうがそれどころではない。



 滝を望む駅に停車。運が良ければ滝の妖精が現れるとか。

 

 奇妙な音楽が流れると滝の中ほどに妖精の姿が、目を凝らして見ると赤色のウエットスーツを着て、ドレスを羽織っり、長い金髪をつけた人が踊っている。一人が物陰に隠れると今度は下の崖に青色の妖精?が現れた。

 

 ショーが終わると列車は坂を下り、フロム駅に到着した。



 フロム駅はフィヨルドクルーズの波止場につながっていて、周囲は滝がいく筋も落ちている山が間近にある。

 

 昼食は近くのホテルのレストランであったが、昼食にまたもトマトスープで、大きな入れ物にたっぷりと配られるが、飲み残しは他のグループに行くだろう?

 

 北欧と聞いて温かめの服装できたが、暑くなりそうなので土産品のテイシャツを買いにお店に行くとぴったりの物を見つけた。現金は少額しかなくカードで払うことにしたが、暗証番号がないとダメですと断られてしまう。

 これから現金がない貧乏旅行が続くことになった。




 いよいよクルージング、風のあたらない先頭の席を陣取るが、何を間違ったか添乗員さんが後の席を進めた。前が見えますと?船は船頭さんがいる方が前のはず。

 カモメが餌をねだってどこまでもついてくる。

 

 船が滝に近づき、船員が長い取手の柄杓で滝の水を汲んで飲ませてくれる。

 

 雪と崖、新緑、白く輝く頂上からの滝、青い空と暑い日差し、波が全くない。これが海とつながっているのかと信じがたいフィヨルドだ。

 崖っぷちの僅かな土地を利用して家が建ち、羊が草を食んでいる。

高いところのあの家にはどこから登るのだろうか。



 グドヴァンゲンまで約2時間の船旅で途中で何ヶ所かの湖畔の村に寄港して荷物の取り扱いや乗船客の乗り降りがあった。

 先回りしたバスに乗車して、ホテルに向かう。いきなり急傾斜の坂を上り始めた。かなり太ってしまった運転手の腕の見せ所かな。

 

 ハダンゲルフィヨルドを渡し舟で渡り、ひたすらホテルを目指す。

右にフィヨルドをながめ、傾斜地の狭い道路を走り続けて、やっと到着。

フィヨルドに面した素晴らしいホテルだ。



 フロントで鍵を置き忘れたバックを見せると、ベルボーイがペンチを持ってきて、安物の南京錠を簡単にこじ開けてくれた。悩みのバックは解放した。



 広いダイニングで本場のバイキング料理だ。

全部食べられそうで、大盛りにしたお皿とは別にトナカイ肉に挑戦だ。

 

 色とりどりの果物もあり動けなくなるまで食べ続けた。



 グリークが作曲した戯曲(ペールギュント)「朝の気分」をバスの中で飽きる程聞き、カールベームの指揮で音が急に大きくなるので添乗員さんはその度にボリュームを操作していた。

 このホテルの敷地にグリークの作曲小屋が移築されていた。

 

 フィヨルドを舐めると塩気がわずかに残る海だった。そこをクラゲがのんびり浮いていた。もう11時を過ぎて寝る時間なのに子供が遊んでいる。